魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
気は重いが……最終的に婚約手続きを踏むにはあいつらの同意が必要だ。



「これ、マジなやつじゃん……」

「まさか夜明が婚約する日がくるなんてなぁ……人生何があるかわからないな」



雪兎と百虎は、まだブツブツ言っている。



「頑なに婚約を拒んでいた後継ぎが相手を見つけたって知れたら、大騒ぎだね。ビッグニュースだ」



騒ぎになるのは鬱陶しいが、鈴蘭を俺のものだと言い振らせるのはいい。



「ひとまず、鈴蘭様についての調査を始めますね。夜明の結婚相手にふさわしいかどうか」



竜牙の言葉に、舌を鳴らした。



「そんなものは必要ない。あいつは俺にふさわしい」



どちらかと言えば、釣りあっていないのは俺のほうだ。

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