魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
婚約を結ぶ前に婚約者の調査をするのは当たり前のことだが……そんな手順は飛ばしてしまえ。あいつは嘘も汚れも知らない女だ。うしろめたいことなどないだろう。



「第一、反対されても押し通せばいい。あいつを認めないというなら、あんな家はこっちから願い下げだ」



万が一この婚約が通らないというなら……黒闇神の名前を捨ててもいい。



「そこまで惚れ込んでるの……?」

「夜明さんが他人の話をするだけでも違和感があるのに、本当に頭を打ちましたか……? 変な魔力でもかけられてるとか……」



さっき以上に間抜けな顔をしている百虎と雪兎。ついでに竜牙まで苦笑している。

どいつもこいつも、うるさいな……。



「俺が他人の魔力にのまれるわけがないだろう」



誰に向かって言っている?



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