魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
初めてのお友達
「来たよ、絶世の悪女」
いつもと変わらないクラスの光景。
「これだけ嫌われてるのに、よく学校に来れるよね」
いつも通り、自分に向けられる憎悪のこもった視線。
「図太すぎ……」
いつもなら、もう逃げだしたいって思うけれど……今の私は違う。
フードさんっていう、お友達ができたから。
周りの状況は何も変わっていないのに、こんなにも世界の色が違って見えた。
人生で初めてできたお友達。
今日からは、フードさんはお昼ご飯を持ってきて一緒に食べてくれるって言っていたし……お昼休みになるのがとっても楽しみ……。
教室で孤立しているのは悲しいけど、フードさんがいると思うとそれだけで心強かった。
友達の存在って、凄いなぁ……。
「フードさん……!」
お昼休みになって、走って裏庭に向かった。