魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
いつか私も、フードさんに何かお返ししたい。

たくさんもらった幸せの分を……。







今日の宿題が終わり、参考書を閉じる。

喉が渇いたから、水を飲みに台所へと向かった。

リビングに入ると、今帰ってきたのか、大きな花束を持った星蘭の姿が。

星蘭は疲れて帰宅したのか、持っていた花束を乱暴に床に置いた。



「星蘭、この花……」



せっかく綺麗な花束なのに、そんな乱暴に扱ったらダメになっちゃうっ……。



「あーこれね、ルイス様がくれたの」



私を見て、にっこりと笑った星蘭。

ルイス様が……?



「でも、あたし花とか興味ないし、こんなものもらっても困るんだよね」



確かに、星蘭は昔から花や景色など、自然に興味がない。

見ても心が動かないと、よく嘆いていた。

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