魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
お昼休みを知らせるチャイムが鳴り響く。一刻も早くフードさんに会いたくて、今日も急いで教室を飛び出す。

フードさんは、マドレーヌをくれたあの日から、毎日のようにお菓子を持ってきてくれるようになった。

もらってばかりで申し訳ないからと断ったけど、私に食べてほしいと言ってくれて、いつもお言葉に甘えてもらってしまっている。

フードさんがくれるお菓子はどれも絶品で……初めて食べるものばかりだった。

私も何か、お返しがしたいな……。

でも、何かを買うお金もなければ、家の食材も勝手に使えば怒られてしまう。

……そうだ。

フードさんも、よく本を読むって言ってた。

家の庭の花壇に咲いていた花で、しおりを作って……プレゼントしてみようかな……。

しおりなんて、もらっても迷惑なだけかな……。

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