魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
無視をするわけにもいかず、恐る恐る振り返る。

ルイスさんは……眉間にシワを寄せながら、私を睨んでいた。



「この前見たぞ。俺に捨てられて落ち込んでいるかと思ったが……まさかもう新しい男ができたとはな」



見たって……私とフードさんがいるところを……?

新しい男って、フードさんとはそんな関係じゃない。お友達だ。



「ち、違います……彼は、友人です……」



フードさんの不名誉になると思い、誤解を解くためにそう伝えた。

私の声は、情けないくらい震えている。



「そうだな……お前の狙いは黒闇神だと言っていたからな。あんな得体の知れない男は踏み台でしかないんだろう」

「黒闇神……?」



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