魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
「……知っているかもしれないが、俺の名前は白神ルイスという」



彼の言う通りさっきの入学式で名前を知っていたので、もう一度頷いた。

級長さん……白神さんは、突然私の前に跪いた。

え……?

突然の行動に理由がわからず困惑していると、私の手を握ってきた白神さん。



「君に……一目惚れした」



一目惚れ……?

私に告げられるはずがない言葉に、ますます当惑した。

こんなに美しい人が……他の誰かに一目惚れをするなんてことがあるのかな。ましてや……その相手が自分だなんてありえない。



「こんな感情は初めてだ」



それなのに、私を見上げる彼の瞳には……恋情の色が見えた。



「俺と、婚約してくれ」



しん……と、私の世界が静寂に包まれる。

時が止まったような感覚にさえ陥った。

今、なんて?



「こ、婚約っ……?」



ハッと我に返って、一歩後ずさる。

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