魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
窓のガラスを鏡がわりに、ネックレスを見つめる。
何度見ても綺麗……。
事あるごとにネックレスを見ては、頬が緩んでしまう。
い、いけない……そろそろ勉強しなきゃ。
来週からはもうテストなんだから。
いい点数を取ったら……フードさんは、褒めてくれるかな……。
想像するだけで、気力が湧き上がる。
よし、頑張ろう。
鉛筆を持って、勉強を再開しようとした時だった。
勢いよく、部屋の扉が開かれた。
私の部屋は他の部屋とは違い、扉の作りが緩いから、壊れるんじゃないかと心配になるほどの音が響く。
「あー……ムカつく!!」
星蘭……?
入ってきたのは星蘭で、いつも以上に苛立っている様子だった。
私は急いでネックレスを隠すように、服のボタンを上まで止める。