魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
「せ、星蘭、どうしたの……?」



今帰ってきたのかな?

昨日は学校の友達の寮部屋に泊まると言って、家にいなかった。



「どうしたのじゃないわよ……」



ちっと、舌打ちをした星蘭。



「黒闇神様の婚約者がどうのって……どいつもこいつもうるさいわね……!!︎」



黒闇神様……。

確かに、この前からその話で持ちきりだな……。



「おとなしくあたしのこと讃えとけばいいのに……まともな婚約者も見つけられない女たちが何言ってんのよって感じ!!︎」



どうやら、その噂が気に入らないみたいだった。



「あー、ムカつく。あたしが一番ちやほやされてなきゃ気が済まない」



星蘭は苛立ちが止まらないのか、何度も舌を鳴らす音が響いていた。

どうしよう、なんて励ませば……。



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