魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
「どうして双子なのに、ここまで違うのかしら……」
自分が情けなくて、俯いたまま下唇を噛んだ。
本当に、お母さんの言う通り……。
私は、4人家族の長女。と言っても双子だから、長女次女という区別はあまりない。
二卵性だから、星蘭とは容姿も似ていない。
お母さん似の星蘭と違って、私はお父さん似だから。
そして……私の実のお父さんは、今この家にはいない。
私たちが物心つく前に、離婚して家を出ていってしまったから。
そして、小学校に上がる頃に、新しい今のお父さんが現れた。
私はちらりと、ソファに座っているお父さんのほうに目を向ける。
静かに新聞を読んでいるお父さんは、きっと私の存在なんて気にしていない。
前のお父さんに似ている私を、新しいお父さんはよく思っていないから。
お母さんも私の顔を見るたびに、前のお父さんを思い出して嫌になるといつも言っていた。