魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
「これからもちゃんと星蘭の言うこと聞くって約束するから……なんでも言うこと聞くから……お願い……」



他の物なら、なんでもと取っていいよ。何も望まないから、お願いだから見逃して。



「そんなに大事な物なの?」



何度も首を縦に振った。

星蘭が、はぁ……と大きくため息をつく。



「わかったわよ……」



ほ、ほんとに……?

安心して、ほっと安堵の息をつく。

星蘭への感謝の気持ちで、いっぱいになった。



「星蘭、ありがと……」

「――だったら、なおさら貰っておくわ」



え……?

私の感謝の言葉を遮るように、そう言った星蘭。

待って……。

私は星蘭から逃げるように、一歩二歩と後ずさる。



「星蘭……お願い……」



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