魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
近づいてくる星蘭が……まるで恐ろしい怪物に見えた。



「早く渡しなさいよ」



星蘭の手が伸びてきて、ネックレスを掴んだ。

嫌っ……。

とっさに、星蘭の手を振り払ってしまった。

パシッという音が響いて、星蘭が手を引っ込める。



「あっ……ご、ごめんね……」



どうしよう……星蘭の手を振り払っちゃった……。

こんなことは初めてだったから、私はこのあと星蘭がどんな行動をとるのか、怖くてたまらなかった。



「何すんのよ!!」



案の定、ヒステリックな声で叫んだ星蘭。

どうしよう……どうしよう、どうしようっ……。



「あたしに傷がついたらどうするの!!」



星蘭に突き飛ばされて、床に倒れる。星蘭は衝動のままに、私の体を叩いたり蹴ったりと繰り返した。



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