魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
【Ⅳ】本物のシンデレラ

調査結果



【side 夜明】



昼休みが終わって、寮に帰る。

今日も、来なかったか……。

ある日を境に、裏庭に現れなくなった鈴蘭。

鈴蘭の身に何か起きているのかもしれないと思い、出席を確認したところ、学校には来ていることがわかった。

つまりは……俺に会いたくない理由があって、意図的に現れなくなったということだ。

俺が何かしてしまった、か……。

ただ単純に、嫌われてしまったという理由なら納得ができる。

しかし……どうしても違和感があった。

鈴蘭は、俺のことをずいぶん信頼してくれていた自覚がある。

懐かれていたとも思う。それは多分、妹が兄を慕うような感覚ではあっただろうが。

俺が何かヘマをしていたとしても、信頼を完全に失うということは考えにくい。

それに……鈴蘭は、理由もなく突然来なくなるような人間ではないと思った。

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