魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
そして、入学してすぐに白神ルイスに婚約を申し込まれたこと。たったの1週間で、破棄されたことなども書かれていた。

俺はその書類を、床に投げ捨てた。



「全て偽りだ」



ありえない……鈴蘭が、こんなことをするはずがない。

あいつは誰よりも、心優しい女だ。

こんなふざけた調査結果を、よくも俺に提出できたな。

感じたことのないほどの怒りがこみ上げ、破壊衝動に襲われた。

今すぐこの寮ごとぶち壊してやりたい。

俺を見て、竜牙が頭を下げた。



「……夜明。これは事実です」



まるで俺をなだめるような言い方。



「調査員と私の意見を単刀直入に言うと……彼女との婚約は、認められません」

「……黙れ」



俺は魔力を放ち、そばにあった花瓶を壊した。

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