魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
「俺の言うことも信じない、お前のような従者は必要ない」

「待ってください……きちんと話しましょう」

「話すことなどない」

『ラフもこのような結果、信じませんぞ!!︎』



律儀に落ちた紙を読んでいたラフが、全て読み終わったのか珍しく怒りを露わにしていた。



『鈴蘭様は聖女のように優しいお方です……! いじめられていたわたしを助けてくださったんですよ……!!』



……そうだ。あいつの慈心を、わかっている奴がいてまだよかった。



『あのような優しい方が……絶世の悪女など、ありえません……!!』



調査書に書かれていたその蔑称。鈴蘭とはかけ離れている通り名だ。

あいつがブランで悪女と呼ばれているのはわかった。

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