魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
どれくらい時間が経ったかと思い時計を見ると、まだラフが飛び立ってから10分ほどしか経っていなかった。
ああ、焦れったい……俺は何もできないのか。
待つだけしかできない自分にさえ苛立つ。
舌を鳴らした時、ラウンジの扉が開いた。
ラフはわざわざ扉から入ってくるようなことはしないため、ラフではないことは見なくともわかった。
誰だ……。
「なになに、さっき竜牙くんと会ったけど、喧嘩でもしたの?」
百虎か……。後ろには、雪兎の姿もあった。
「黙れ。お前たちには関係ない」
「こっわ! 心配して来てあげたのに」
「大丈夫ですか、夜明さん」
心配しているのかからかいに来たのか……わからない奴らだ。
百虎のほうは、からかいに来たに決まっている。