魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
そうは言っても、みんなが帰ってくるまでに家を掃除しておかなきゃ怒られるから、夜まで家事をしていた。

昨日の残りのご飯を食べて、お風呂に入ろうとした時、玄関が開く音が響く。



「あ、お姉ちゃん帰ってたんだ」



ご機嫌の星蘭がリビングに入ってきて、笑顔を返した。



「うん。おかえりなさい」

「ふふっ、ただいま~! 入学祝いで、美味しいお寿司食べてきちゃった」

「そっか」



お寿司……。

もちろん聞いたことはあるけど、私は食べたことがない。

どんな味がするんだろう。いつか食べてみたいな。



「つまんない反応」

「え?」

「何も。ていうか、お姉ちゃん高校では友達できそう?」



星蘭の質問に、びくりと肩が跳ねる。



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