魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
わからないから頷くと、星蘭は数秒固まったあと、耐えきれないといった様子で吹き出した。



「あははっ……! そっかそっか! お姉ちゃんはスマホも持ってないし、テレビも観れないもんねぇ」



大笑いしている星蘭に、謎は深まるばかりだった。

星蘭の言う通り、私はスマホやケータイのような端末の類は持っていないし、テレビも基本的に観ない。


ひとりの時に観てはいけないと言われているし、誰かが観ている時も、家事をしてるからそんな余裕はなかった。

そんなに笑うってことは……私にとっては知らないことでも、みんなは当然知っている常識なのかな。



「まぁ、小中学校の時は周りに魔族はいなかったし……お姉ちゃんなんかが高貴な魔族と関わりがあるとも思えないもんねぇ」

「その、魔族って……?」



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