魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
私は……この家にとって、邪魔なだけでいらない存在。

だから、家事をしたり、お母さんのお手伝いをしたり、私なりに頑張っているつもりだった。

ここから追い出されたら、私には行く当てがない。

いつ追い出されるかビクビクしながら、毎日を過ごしていた。

高校を卒業するまでは、なんとかしてこの家にいさせてもらわなきゃ。



「ほら、早く片付けなさいよお姉ちゃん」



星蘭が、目を細めながら私を見下ろしている。



「う、うん……!」



慌てて、割れた破片を拾っていく。

あ……。

鋭く尖ったガラスの破片を拾った瞬間、痛みが走った。人差し指から、真っ赤な血が流れている。

少し痛むけど、私は怪我が治るのは早いほうだから平気。

昔から、小さな切り傷程度なら1日もしないうちに傷口がふさがっていた。

この程度なら……慣れっこだ。

ハンカチで血を拭き取り、ふたたび片付けに戻る。



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