魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
幸せと不安と
つまりこの世には人間だけど、魔族の能力を受け継いだ生まれ変わりの魔族が存在して……この聖リシェス学園には、その魔族の方たちが集まっていて……あ、頭がパンクしそう。
推薦の理由はわかったけど……結局、基準はわからないまま。
魔族の相手にふさわしいと国が判断した人間って言われても、私がそこに当てはまるとは到底思えない。
誇れるものといえば、勉強が好きなことくらいだから。
学力とかも、関係しているのかな……?
図書室の椅子に座り、少しの間ぼうっとしていた。
驚愕の事実の数々をまだ受け入れられてはいないけど、入学したからには無事に卒業できるよう頑張ろう。
私は1冊本を借りて、図書室を出た。
授業が始まるまでにまだ30分くらいあるけれど、教室はすでに生徒で溢れていた。
席が埋まっているのを見ると、もうほとんどの人が登校してきているみたい。
教室に入ると、クラスメイトたちの視線が一斉に私に集まった。
え……?