魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
失礼がないように、気をつけなきゃ。






きっと噂がもっと広まるのも時間の問題だし、みんな私と同じ教室にいるだけで不快だと思う。だからせめて、空気のような存在になれるように努力しようと思った。

もうグループはほとんどできあがっているのか、ひとりでいるのは私くらいで、みんな数人で集まっている。

楽しそうに会話をしているクラスメイトをよそに、さっき図書室で借りてきた本を早速読みはじめた。



「おい、大スクープだぞ……!」



大きな声を上げて、ひとりの生徒が教室に入ってきた。



「級長に婚約者ができたらしい……!」



その生徒の発言に、一気にどよめきだしたクラス内。

私は思わず、ごくりと息を飲んだ。

級長に、婚約者……。



「その噂本当かよ……!」

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