魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
後ろで、星蘭たちの会話も聞こえた。

みんなが婚約者探しを始めて、ますます落ち着かない。

開いた本の内容も、全く入ってこなかった。



「おい、級長がいるぞ……!」



え?

廊下で、誰かの声が響いた。



「1年の階にいるってことは……もしかして、婚約者に会いにきたのか……⁉︎」



クラスメイトたちが、一斉に廊下側に駆け寄って、声がしたほうを覗いている。

姿を現すだけでこんなに騒がれるなんて……まるで有名人みたいだ。

私も、本から廊下のほうに視線を移す。

すると……教室の窓越しに、白神さんの姿が見えた。


ちょうどこっちを見た白神さんと、視線がぶつかる。

白神さんは……嬉しそうに微笑んで、教室の中に入ってきた。



「……ようやく見つけた」



< 51 / 324 >

この作品をシェア

pagetop