魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
たくましい腕に掴まれて、びくりと肩が跳ねる。



「ん? どうした?」

「あ……い、いえ」

「行くぞ」



びっくり、した……。

誰かに肩を抱かれるのなんて初めてで、心臓が痛いくらい早く脈を打っている。

白神さんが進むと、周りにいた生徒たちは道を開けるように自らよけていった。

肩を抱かれたまま、教室を出る。

この時、星蘭が私を睨みつけていたことになんて、気づかなかった。








白神さんに連れてこられたのは、一番上の階にある個室だった。

個室といっても、豪邸の一室のようなエレガントな室内。教室4つ分ほどの広さで、白を基調とした繊細な装飾、優美なインテリアが配置されている。

ここは……な、なんの、部屋なんだろう……?


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