魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
「どうした? ほら、こい」



ためらっている私の手を、白神さんが掴んだ。そのまま優しく引っ張られて、隣に座る。

わっ……ふ、ふかふかっ……。



「お前は目立つのが苦手か?」

「え?」



突然の質問に、とっさに首をかしげた。



「さっき、教室でずいぶん萎縮していただろ」



もしかして……気づいていて、この部屋に移動してきてくれたのかな……?

いや、そんなの、自意識過剰すぎる……。

なんて答えるべきかわからず、視線を下げる。



「少しだけ……」



考えた末に正直にそう答えると、白神さんは「そうか」と感情の読めない声色で言った。



「まあ、ゆっくり慣れればいい。俺の婚約者になれば、いやでも人目に触れる機会が増えるだろうからな」



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