魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
いさせて、ほしい……。



「もうすでに、俺とお前の関係は周知の事実になっている。俺が昨日周りの奴らに伝えたからな。近々、俺の両親にも会ってもらいたい」



今朝、騒ぎになっていたのはそういう経緯だったんだ……。

それに、両親にって……話が進みすぎていて、困惑してしまう。



「それで……お前の名前を教えてくれないか?」



改まって、そう聞いてきた白神さん。



「名前だけじゃなく、お前のことが知りたい」



知りたいなんて言われるのも初めてで、いろんな感情がこみあげてくる。

戸惑い、不安、嬉しさ……だけどやっぱり一番は、幸せが大きかった。



「双葉……鈴蘭、です」



そう伝えると、白神さんは満足げに口角を上げた。



「鈴蘭。いい名前だ」



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