魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
滅多に呼ばれることのない名前で呼ばれて、ドキッと心臓が大きく跳ね上がった。

お父さんがつけてくれたこの名前は気に入っていたけど、白神さんにそう言ってもらえたことで、もっと好きになれた。



「美しいお前にふさわしい」

「美しい……?」



私には、ふさわしくなさすぎるその言葉。

美しいっていうのは、本来白神さんのような人に使う言葉だ。



「ああ、俺が見初めたんだ。お前は誰よりも美しい」



驚きのあまり、まばたきを繰り返す。

何を、言っているんだろう……?

昨日も、一目惚れだっておっしゃっていたけど……白神さんは独特な美的感覚を持っているのかもしれない。



「なんだ、自分の容姿には無頓着なのか?」

「そんなことを言われたのは、初めてです……」

「……冗談はよせ」
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