魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
詳しい選定の方法はわからないけれど……今年度も、推薦枠が決定した。

その中に、星蘭と……私も入っていたんだ。



「星蘭は選ばれて当然よ……!」



お母さんが、得意満面に言い放っている。



「あなたが選ばれたのは、星蘭のついででしょうけど」



蔑むようなお母さんの視線に、目を伏せることしかできなかった。

本当に、どうして私が選ばれてしまったんだろう……。

聖リシェス学園に入学するのは、とても名誉のあることだと言われている。

だけど私にとっては、喜ばしいことではなかった。

どうしても高校だけは、星蘭と別の学校に行きたかったから。

星蘭が嫌いだというわけじゃない。妹だから、星蘭のことは可愛いと思うけど……。 “自由”に、学校生活を送ってみたかった。

それに、高校生になったらアルバイトをして自立して、家を出るつもりだったけど……聖リシェス学園はバイトも禁止だ。

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