魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
「ルイス、さん……」

「ああ、お前に名前を呼ばれると気分がいい」



言葉通り、上機嫌になった白神さん……ルイスさん。

私が名前を呼ぶだけで、喜んでもらえるなんて……。

また込み上げてきた涙を、ぐっと堪えた。



「今日はオリエンテーションが終わったら1年は帰宅だったな。俺たちは授業があるから、また明日会いに行く」

「はい……ありがとうございます」

「教室まで送っていこう。行くぞ」



私の肩を抱き寄せて、歩きだしたルイスさん。

この腕の中に、ずっといたい。なんて……贅沢すぎることを思ってしまった。







「またな」



教室まで送ってくれたルイスさんは、私の頭を優しくぽんっと撫でて、自分の教室に戻っていった。

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