魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
神に願うのは
その日も放課後になり、少しの間図書室にこもった。
学園や、魔族について、まだまだ知らないことばかりだから、少しでも知識を得ようといろんな本を読む。
婚約制度についても、知らないことばかり書いてあり、私は夢中で読み進めた。
ルイスさんが言っていた通り、この学園では恋人=婚約者という扱いになるんだ……告白は、すなわち婚約の申し込みにあたる……か。
……え? 人間から、魔族に婚約を申し込むことはできない……?
書かれてある事実に、驚くと同時にハッとした。
そういえば……ルイスさんは、魔族なの、かな……?
その本の続きに目を走らすと、『婚約を申し込めるのは、魔族から人間にのみ』と書かれてあった。
それはつまり――ルイスさんは、魔族だという証明だ。
そっか……そうだよね。級長に選ばれるってことは、それだけ能力を評価されているってことで……。
魔族は、人間よりも優れた能力を持っているそうだから、普通に考えればルイスさんが魔族であるのは当然のことだ。
まさか……ルイスさんもだったなんて……。
見た目は人間と何ひとつ変わらないから、気づかなかった。
いや……ルイスさんの見た目は人間離れした美しさだから、魔族だと言われたほうがむしろ納得はできるかもしれない。