魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
「あんた、どうやってルイスさんのことをたぶらかしたのよ……!! あたしが狙ってたのに……」



星蘭が、ルイスさんのこと……?

婚約したことを知られたら、何か言われるだろうとは覚悟してた。

だけど……まさか星蘭が、ルイスさんのことを想っていたなんて知らなかった。



「星蘭のおかげで入学できたのに、星蘭の邪魔をするなんて……どこまでも卑しい子ね!!」



黙っていたお母さんがついに口を開いて、私のもとへ歩み寄ってくる。

逃げ、なきゃ……。

そう思うのに、怖くて足が動かない。



「何ぼうっと見てるのよ……謝りなさいよ!!」



お母さんが、私の髪を掴んだ。



「……っ! い、いやっ……ごめんなさい……!」



強く引っ張られ、痛みが走る。



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