魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
「ごめんなさい……ごめんなさいっ……! やめて、ください……っ」



痛い……怖いっ……。



「今すぐに、婚約を解消するように頼みなさい!!︎」



そう言って、強く私を突き飛ばしたお母さん。

勢いよく、床に倒れた。



「お母さん、魔族に解消を申し出ることはできない決まりなの。それをしたら、うちも処罰を受けるわ」



痛みをこらえる私をよそに、星蘭が説明している。

星蘭の言う通り……基本的に全ての権限が魔族側にある。学園だけじゃなく、国内でも。

だから……魔族の方に婚約の解消を申し出ることはタブーとされていて、相手の家族はもちろん親族も処罰の対象となるらしい。本にも、そう書かれていた。



「あたし、入学前からルイスさんのこと好きだったのに……」



< 71 / 324 >

この作品をシェア

pagetop