魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
どうして私が生まれてきたのかなんて、本当は、私が一番知りたい。

私が、生まれてきた意味は……。

それを考えた時、ふっと頭の中に、ルイスさんの笑顔が浮かんだ。

……あ。

違う……。

私は、今は……ルイスさんに出会うために、生まれてきたのかもしれないって……思いたい……。

希望が残っていたことに気づいて、私の世界に光が差した気がした。



「大丈夫だよ、お母さん」



星蘭が、お母さんに笑顔を向けた。



「向こうから婚約を解消させればいいのよ」



……星蘭の、言う通り。

こっちから婚約破棄をする権限がないということはすなわち……私に決定権はないということ。

魔族の方から婚約破棄を突きつけられたら……拒否する権利もない。

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