魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
不安
昨日は、あれからリビングを追い出されて、夕食も食べずにずっと部屋にこもっていた。今朝もお母さんや星蘭と顔を合わせないように、いつもよりも早く家を出て学校に向かった。
傷、薄くなってよかった……。
いつもはお母さんは見える場所は叩かないけど、昨日は顔を叩かれたから、うっすら腫れていた。
でも、朝起きたら腫れは引いていたし、やっぱり私は傷が治るのが早いなと再確認する。
それにしても、何も食べてないからお腹が空いた……。
教室について、本を開く。
「星蘭ちゃんって、ほんとにいい子だよね」
「優しいし、可愛いし」
「うんうん、星蘭ちゃんが入学してきてくれてよかった」
後ろの席で、星蘭がクラスメイトたちに囲まれている。
もうすっかりクラスの人気者になっていて、星蘭のコミュニケーション能力の高さを痛感した。