魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
「……星蘭ちゃんはこんなにいい子なのに、お姉ちゃんは真逆なんでしょ?」
びくっと、肩が跳ねそうになった。
「こんなに優しい星蘭ちゃんをいじめるなんて、性格悪すぎるよね」
「美人だから、高飛車に育ったんだろ」
「あはは……お姉ちゃんに聞かれたら困るから、この話はやめよう?」
星蘭が、困ったように笑っている。
「何か言われたら、俺たちに言ってね。星蘭ちゃんのこと守るから」
彼らが正義のヒーローのような立ち位置なら……私は悪役になるのかな。
「そんな相手が級長の婚約者になって、大丈夫なの……?」
こそこそと話している声が聞こえて、本の内容が頭に入ってこない。
普段なら気にしないふりをするけど、級長という単語が聞こえたから。