魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
眉間にシワを寄せたから、きっと私の声は聞こえてはいるはず。
そう判断して、言葉を続けた。
「筆箱がボロボロで、新しいものを買ってもらえませんか……?」
今の筆箱は、小学生の頃から使っているもの。ついにチャックが壊れてしまって、布も破れてしまったんだ。
今まで壊れても、なんとか縫い合わせたり、工夫して使っていたけど、いつもカバンの中に中身が散乱してしまって、もうこれ以上は使うのもかわいそうなくらいボロボロだった。
私はお小遣いをもらっていないから、必要な時はお父さんにお願いするしかない。
「使えるなら問題ないでしょう? ねだるなんて、強欲な子……」
お母さんが、私を軽蔑の眼差しで見ていた。
お父さんは、新聞を見たまま微動だにしない。
「……」
何も言えないまま、視線を下げる。
そう判断して、言葉を続けた。
「筆箱がボロボロで、新しいものを買ってもらえませんか……?」
今の筆箱は、小学生の頃から使っているもの。ついにチャックが壊れてしまって、布も破れてしまったんだ。
今まで壊れても、なんとか縫い合わせたり、工夫して使っていたけど、いつもカバンの中に中身が散乱してしまって、もうこれ以上は使うのもかわいそうなくらいボロボロだった。
私はお小遣いをもらっていないから、必要な時はお父さんにお願いするしかない。
「使えるなら問題ないでしょう? ねだるなんて、強欲な子……」
お母さんが、私を軽蔑の眼差しで見ていた。
お父さんは、新聞を見たまま微動だにしない。
「……」
何も言えないまま、視線を下げる。