魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
ルイスさんのそばにいると、なんだかとても、安心する……。

私の肩に添えられている手を、頼もしく感じた。



「白神様」



ドクッと、心臓が大きく脈打つ。

ルイスさんの名前を呼ぶ声は、星蘭のものだった。

足を止め、振り返ったルイスさん。表情は険しく、不機嫌そうにしていた。



「……なんだ? 俺に気安く話しかけるとは、失礼なやつだな」



いつもよりも低い声に、入学式で淡々と話していたルイスさんの姿を思い出した。



「あたし、鈴蘭の妹の、星蘭と言いますっ……!」



ルイスさんは、星蘭の言葉に表情を緩めた。



「……ああ、鈴蘭の妹なのか。なら、特別に俺に話しかけることを許してやろう」



星蘭……何を、言うつもりなんだろう……。

怖い……。



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