甘すぎる鈴くん、私を離してくれる気はなさそうです。
「もう!
 母さん達、そんなことしないって!!
 ほら桃香ちゃん、早く行こ?」

 
 鈴さんが少しムッとした顔で私の手を取り、ずんずん歩き出す。


 私は半ば鈴さんに引っ張られながら、お屋敷の門をくぐった。


 お屋敷に入り、お母さん達が見えなくなった途端、パッと手を離す鈴さん。


 そして、汚いものでも触ったように、手をハンカチで拭く。


 うわっ!


 ひっど!!


 それはないでしょー!!


 本人の前で!!

 
 そして、お母さん達が見えたらニコニコし出す。


 でも、、、

 
 その笑みは少し、胡散臭いオーラを纏っていた。


 私はそれをみて確信する。


 こいつ、私の前で見せるのが本性だ。
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