二人
-二人
リオナが洗濯物を入れていると、浜の方から聞こえて来た聞きなれた大きな声。
「おーい!リオナー!」
その声を聞いたリオナは、私も負けじと大きな声で返す。
「おかえり!ヴァテミア!」
ヴァテミアが帰ってきた事を確認し、リオナは家に入った。
そこには魚がたくさん入った箱を持ったヴァテミアが居る。
リオナはニッコリと微笑み、ヴァテミアに歩み寄る。
「今日はどうだった?」
「沢山釣れた。そうだ、今日のご飯は僕が作ろう」
「本当?助かるわぁ」
そう言ったヴァテミアは早速と言い、キッチンへ向かった。
それを見送ったリオナは部屋に行き、編み道具が入った道具箱を持ってきて、編物しだす。
二人に流れるほのぼのした時間。
これが二人の普通で。
当たり前で。
心地良いのだ。
二人は一緒に暮らしていているけど、まったくの赤の他人。
出会い方も少し可笑しかった。
ヴァテミアとリオナが暮らしている言えは元々空家だった。
ちょっとした瞬間で、人はこれほどの人間関係を築けるのだと言う事を二人は思う。
「リオナ~、塩はどこだっけ?」
「確か右の戸棚の手前」
「ん~っと…あぁ!あったあった」