婚約破棄され辺境地へと追放された私ですが、ワケあり第二王子に溺愛される運命だったようです!
比べて見ないその瞳に
「……え、今夜も同じ部屋で眠るの? 使えそうな部屋ならもう一つくらいあるって、食事の時には言っていなかった?」
「ああ、だがこの雨でシーツ類の洗濯は難しい。窮屈だとは思うが今夜も俺のベッドで我慢してほしい」
そう言われてロッテが窓に近づき外を見れば、降り始めの頃より雨は強くなっている。レーヴェの発言通り、こんな中で洗濯はとても無理そうだ。
昨日彼女が確認した限りでは洗わなければ使えそうなシーツは無く、やはり同じベッドで眠るしかないだろう。
「ロッテが嫌なら俺は床でも構わない、そういうのは慣れているからな」
「そ、それはダメよ! ベッドは元々レーヴェの物だし、床で眠るのなら私が……」
自分は傭兵だと話していたレーヴェは、平気そうにそう言うがロッテはとんでもないと首を振る。いきなり迷い混んできた彼女を追い出さず、食事や風呂等まで世話してくれた。そんな彼を床で寝せるなどロッテには出来るわけがなかった。
「何を言ってるんだ、侯爵家の令嬢を床でなんて寝させられるわけがないだろ! 俺は女性をそんな風に扱うような教育は受けていない」
「……でも」
己が床で眠るのは良くてもロッテが同じことをするのは我慢できないらしい、レーヴェは少し怒ったのか口調が強くなる。屋敷を追い出され辺境地に追放された今のロッテを侯爵令嬢として扱ってくれる、一人の女性として見てくれる。
それが……ロッテは堪らなく嬉しく感じた。