婚約破棄され辺境地へと追放された私ですが、ワケあり第二王子に溺愛される運命だったようです!

 ロッテにだって承認欲求はある、妹のアンネマリーだけが認められていく事に歯痒さを感じなかったといえば嘘になるだろう。
 それを口に出さず耐えれたのは、我慢強いロッテだからこそである。

 ……だが、もし自分も聖女だったならば。

 隠しておいた本音が、ロッテの頭の中で繰り返される。何度も、何度も。自分もまた愛されるんじゃないだろうか、必要としてもらえるんじゃないかと。
 それがどれだけ難しいことかを、ロッテが分かっていても……

「ロッテ、少し顔色が悪い。君もベッドで休んだ方がいい、食事の支度ならば俺がやるから」
「レーヴェ、でも……」

 確かに色んなことがあって心身共に疲れているのは確かだ、それでもロッテは素直に頷くことが出来ないでいた。今の状態でベッドに横になってもとても眠れそうにない、よくない考えが頭を支配して落ち着けそうもなく。
 それならいっそ、眠らずに食事の支度や男の看病をしていた方が気が紛れそうで。

「ロッテの気持ちはわからなくない。だが今は次の刺客がいつくるかもわからない状況だ、休めるうちに休んでた方がいい」
「……どういう事? 次の刺客が来るってどうして分かるの」

 確かに男はロッテを狙ってきたのだとはっきり話した、だが彼女が命を狙われている理由はまだ謎のままなのだ。ロッテにはレーヴェが確信を持ってそう話す理由が知りたかった。


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