婚約破棄され辺境地へと追放された私ですが、ワケあり第二王子に溺愛される運命だったようです!
聖女としての役目をキチンと果たさないアンネマリーに、レーヴェは納得がいかないのだろう。確かにこのまま彼女がやるべき事を放棄したままでは、この国の未来にも関わってくるかもしれない。
アンネマリーはロッテの双子の妹だ、それなら彼女が役目を放棄した責任は自分にもあるのかもしれないとロッテは悩んだ。もし本当にレーヴェの言うように、自分に聖女としての力があるのならば……と。
「本当に、レーヴェは私を信じて守ってくれるの? 出会ったばかりで聖女としての力の使い方も分からないような自分を」
「ああ、約束する。なんなら王宮騎士のようにこの剣に誓って見せようか?」
何度見ても立派な大剣だ、それを目の前にしてレーヴェは本当に誓いを立てそうな勢いである。己を信じてもらえることがこんなに嬉しいことだと、ロッテは泣きそうになる。それをグッと堪えて……
「ありがとう、レーヴェ。それならば私に出来る事は自分でやります、でも母国のために少しだけ貴方の力を貸して欲しいの!」
聖女だからと守ってもらってばかりなんて自分には似合わないロッテは思っていた。確かに令嬢として育てられてきた彼女に出来ることは少ないかもしれないが、それでも努力しようという前向きさがロッテの良さでもある。
そんな真っ直ぐな彼女を見て、レーヴェはやはり彼女が聖女で間違いないと思うばかりだった。容姿だけならばアンネマリーは太陽で、ロッテは月を現したような女性だ。だからこそ国民はアンネマリーを聖女として疑わないのだろうが、やはり本質に触れれば違うことがわかる。
こうして傍にいるだけで心は落ち着き気持ちが凪いでいく、安らぎや癒しを彼女はそこにいるだけで与えてくれる存在なのだ。