婚約破棄され辺境地へと追放された私ですが、ワケあり第二王子に溺愛される運命だったようです!


「後どのくらいの時間で王都に着けるかしら?」
「そうだな、今日は日暮れまでにカリアの町まで行ければよいと思ってるんだが。そうすれば君を野宿させずに済むし……」

 ロッテの言葉にレーヴェは少し悩んでそう答えた。長時間馬に乗っているのが辛いのかもしれないと考えた彼は、移動のペースを落とすことも視野に入れていたのだがロッテの心配はそこではなかった。

「そんなことは気にしなくていいの。ただ……どうしてもアンネマリーの事が気になって、このままゼーフェリング国のことを放っておくのかと」
「ロッテはいつも人の事ばかり考えてるんだな、今も君をこんな状況にした相手の事まで心配してる」

 お人好しだと言えば聞こえはいいが、隠れてアンネマリーが『偽善者だ』とロッテの事を馬鹿にしていたことも彼女は知っている。それでもこうして妹の事が気になって仕方ないのは、どうしようもないのだろう。
 王国のためにアンネマリーが聖女の力を使ってくれれば、全て丸く収まるのではないかとロッテは考えずにはいられない。

「早く……一刻も早く王国の様子をこの目で確かめたいわ」
「焦る気持ちは分かる、だが君が無理をして王国に着く頃に体調を崩していては本末転倒だ。俺も出来るだけ努力はするから、ロッテも休める時はしっかり休んで何かあった時のためにベストな状態をキープしていて欲しい」
「……分かったわ。レーヴェ、ありがとう」


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