卒業したらきっと。
「こ、小町っ!?」

雪くんはやっぱり酷く困っている様子。

「ううん……っ……多分、あくび……いっぱいしてたからだと思う………

こんなのにも気づけないなんて私ってバカだね………あはは……」

こんな苦笑いを浮かべなんとな乗り切った私。


「…………いいよ。雪くん、告白成功したらいいね………っ、私たくさん応援するからっ………」

「うん……ありがと。」

そう言う雪くんはそっぽを向いていたけど耳はとても真っ赤だった

本当に好きなんだな………っ

雪くんの言っていることが嘘でありますようにって願ったってダメなんだ……

ってそんなことを考えたって虚しいだけなのに。

「ごめん、私、用事思い出しちゃった。

もう帰るね………っ」
早口でそう言うと雪くんは曖昧に返事をした。

その“芽衣”っていう女の子、きっと可愛くて素敵で、雪くんの隣が似合う子なんだろうな…………


なのに、私は、

背がちっちゃくて、なびく髪もなく、ショートカットで、勉強だって運動だって得意じゃなくて……………っ

こんな自虐的なこと思ってしまうと余計に涙というものは出てきた。

「…………っ……うわぁぁん……」

何とか走って、学校から出てきて、近くのベンチに腰をおとした。


「初恋なんて………こんな、もの、なのかなぁ………っ」

泣いていたせいで言葉が途切れ途切れ。

行き先のない言葉を吐き出してはため息をついた。

明日から、雪くんの初恋を応援するんだ………

だから、雪くんへの思いは捨てなきゃ……

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