卒業したらきっと。
伝えられなくて。
****
「お、女の子はサプライズ、とか嬉しいんじゃない、かな、?」
「そっか………」
私の話をうんうんと頷きながら聞く雪くん。
あの放課後に言った雪くんの言葉通り、私は毎日、放課後に『こういう風にしたら』だとかを教えている。
────────といっても、私なんかで参考になるのやら。
でも、ちょっとでも雪くんの側に居られるならいいのかな、なんて考えちゃったり。
「───小町は“恋”してるの?」
そんな突然の質問に言葉が詰まった。
『してない』なんて言ったら嘘になってしまう。
だけど、『してる』なんて言ったら──?
「ど、どっちだと思う………?」
そう言って後悔した私。
こんな風に聞くなんて────
絶対“面倒くさい”って思われるのに。
「ご、ごめん……
恋とか私にはまだ分かんなくって……」
『はは……』と笑いながら受け流した私。
「小町に彼氏かぁ~。
きっと気さくで優しいんだろうな~。」
何かを思い描いて言っている様子の雪くん。
───気さく
───優しい
全部、あなたに当てはまっているんですよ、なんて死んでも言えない。
そんな時、勢い良く教室のドアが開いた。
「美南、海堂!
もうこんな時間だから帰りなさい。」
声の主は先生。
「すみません。」
私達はそう言うと急いで学校を出た。
「どうしよっか………」
最初に口を開いたのは私。
「お、女の子はサプライズ、とか嬉しいんじゃない、かな、?」
「そっか………」
私の話をうんうんと頷きながら聞く雪くん。
あの放課後に言った雪くんの言葉通り、私は毎日、放課後に『こういう風にしたら』だとかを教えている。
────────といっても、私なんかで参考になるのやら。
でも、ちょっとでも雪くんの側に居られるならいいのかな、なんて考えちゃったり。
「───小町は“恋”してるの?」
そんな突然の質問に言葉が詰まった。
『してない』なんて言ったら嘘になってしまう。
だけど、『してる』なんて言ったら──?
「ど、どっちだと思う………?」
そう言って後悔した私。
こんな風に聞くなんて────
絶対“面倒くさい”って思われるのに。
「ご、ごめん……
恋とか私にはまだ分かんなくって……」
『はは……』と笑いながら受け流した私。
「小町に彼氏かぁ~。
きっと気さくで優しいんだろうな~。」
何かを思い描いて言っている様子の雪くん。
───気さく
───優しい
全部、あなたに当てはまっているんですよ、なんて死んでも言えない。
そんな時、勢い良く教室のドアが開いた。
「美南、海堂!
もうこんな時間だから帰りなさい。」
声の主は先生。
「すみません。」
私達はそう言うと急いで学校を出た。
「どうしよっか………」
最初に口を開いたのは私。