卒業したらきっと。


「────雪……くん……っ」

絞り出すようにそう声を出した。


「傘、借りれば良かったのに。」


ぶっきらぼうにそう言った雪くん。


雪くんの手には一つの傘。


「家。送るから。」


そう言って雪くんは私に手を差し出す。


だめ………っ。

雪くんの手を掴んじゃうと恋心が……っ

爆発しちゃうからっ────。



「─────小町。」

すると私の手を無理矢理掴んだ。


「ほら。こんなに手、冷たくなって。

それに、顔赤いよ。熱、あるんじゃない?」
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