卒業したらきっと。
蓋をしたって。
****


「小町。いつ学校来るの?

もう休んで一週間位経つよ?」


心配そうに言った日美。


「ありがとう、咳とか鼻水とか出ないんだけど、まだ熱があって───。」


ここは私の部屋。


あの雨の日からやっぱり風邪になってしまい、しばらく学校を休んでいた。


それに───


「美南くん、寂しがってたよ?」


そんな蒼の一言に少々苦笑いを浮かべた。


「っていうか、今日美南くんが小町の家にお見舞いするって聞いたけど───」


「そ、それほんと!?」

私は少し声を荒げた。


「え、うん。」


驚きながらも首を縦に振った莉乃。


「何か問題でもあるの?」


普通ではない私の言動に不思議がる三人。

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