卒業したらきっと。
目を瞑ってゆっくり息をする。


いっそのこと本当に寝れたらいいのにな。

だけどこういう時は寝られないのが定義。


「小町。起きてる?」


大好きな声が背後から聞こえた。

何だか久しぶりな気がする。

でも一週間も会っていないんだもんね…………。


そう思うと胸が締め付けられる感覚がした。


「………ごめん。」


雪くんから出たその言葉。

私には『何でだろう』の一択だった。

だけどその答えはすぐに分かった。


「風邪ひいたのは俺のせいだもんな………」


その時さっきの言葉の意味が理解できた。

そんな……謝らなくていいのに。


「雨の日に一人で帰らせるから………っ」


確かに追いかけてきてほしい気持ちは山々だったけど…………っ


結局は助けに来てくれたもん。
< 31 / 40 >

この作品をシェア

pagetop