卒業したらきっと。
そんな時、ハッとあることを思い出した。


「ノート学校に忘れてきた……かも……」


そう言うと3人声を合わせて「えっ!」と驚いた。


鬼先生から出された宿題をやってこないと次の日から地獄の学校生活が待ってるに決まってる。


バカだ………


「でも!今ならまだ間に合う、よ!」

「ごめん……ちょっと急いで行ってくる……っ」


ついさっき通った道路を走り抜ける。


「はぁ……っはぁ……」


ちょっと走っただけでも息苦しさがどんどん増えていく。


こんなことになるならちゃんとバックの中身確認してから学校出れば良かった……


そんなこと考えたって時間が戻ることはない。

そうしている内に学校に到着。

「はぁっ……はぁっ……」

まだ残っている息苦しさ。

だけど今はノートのことで頭がたくさんだった。


教室に着くとすぐさま自分の机に駆け寄る。


…………あった。

『海導 小町』と書かれたノートを手に取りバックにしまう。

ホッとしたためか、息苦しさが残っているためか「はぁ……」とため息をついた。


一応、まだ忘れ物が無いか机の中を見てみる。


「ない……よね」

一言、そう言うと何故か他の机に視線がいった。


教室の窓側の席。

前まで私の席だったその席に小さく何かが見えた気がした。


──────筆箱?

そう気づくと勝手に足がそちらに向かっていた。

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