メルティ・ナイト
なぜだかすごく、嫌な予感がする。
この校舎に入ったらなにかが起こりそうな気がして止まない。
気のせいだといいんだけど……。
不安に駆られながらも、学校側に指定された時間がもう迫っているわけで。
よし、うじうじしている場合じゃない。
そう、今日は待ちに待った日。
やっと、マオちゃんに会えるんだ。
不安を掻き消すように彼女のことを思い出す。
ぽんっとマオちゃんの柔らかい笑顔が目に浮かんだ。
もう10年ほど前の記憶だけど、その思い出は色褪せたことはない。
ずっと会いたかったマオちゃんがここにいると思うと、単純だけれど、早く入りたくなってしまう。