身を引くはずが、敏腕ドクターはママと双子に溢れる愛を注ぎ込む
「佐田、昼まだだろ? 行ってきたら」
「あー、うん。ここ片付けたら」
「いいよ。俺代わるから行ってこい」
「え、でも、まだ私の休憩時間じゃないから」
そう言った私に、遼くんは「真面目か」とツッコミを入れるような口調で言う。
「仕事放り出して行くわけじゃないし、ちょっと早く休憩入るくらい大丈夫だから」
「そう……? あ、でも、ここもう終わるし、そしたら休憩行かせてもらう」
代わってくれると言われても、彼にも任されている仕事がある。
休憩の時間に食い込んでいるわけでもないし、私の仕事は私が終えていくべきだと厚意をやんわり遠慮する。
でも、遼くんは黙って私の仕事を手伝い始めた。
「ごめん、ありがとう」
「あ、そうだ。今日の飲み、佐田は結局どうするんだ? 来れそう?」